メディカルトピックス
MEDICAL TOPICS
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「マイクロRNA」がんを超早期診断する(ミアテスト/ミルテル)
(「血液1滴で13種がん検出」、実用化が目前に/ Beyond Health FEATURE より抜粋 )
血液中に含まれる「マイクロRNA」と呼ばれる分子は、がんの増殖や転移に深く関わっている。1~2滴の血液を採取して、このマイクロRNAを調べることで、様々ながんを高精度に検出できる――。国立がん研究センターを中心とした研究グループの5年間にわたる開発プロジェクト「体液マイクロRNA測定技術基盤開発」により、13種類のがんを早期発見できる新しい検査法の実現が大きく近づいた。研究と並行して検査機器メーカーが自動検査装置の開発を進めており、早ければ1~2年以内にも承認申請に踏み切る見通しだ。
「リキッドバイオプシー」の一つこれまでもがんの発病や進行を知ることができる「腫瘍マーカー」は、検診や治療の場で広く使われてきた。しかし、発病直後の早期がんは検出できなかった。加えて、他の病気でも陽性になる場合があるなど、早期発見を目指す検診には使いにくい面も少なくなかった。 こうした中、血液や尿などを採取するだけで、患部から直接組織を採取する生検(バイオプシー)並みの高い精度でがんを発見できる、いわゆる「リキッドバイオプシー」に注目が集まっている。受診者に大きな負担をかけず、高精度な診断情報を得られるため、世界中の研究者や企業が研究開発にしのぎを削っている。この、リキッドバイオプシーの一つとして、日本がリードしているのが冒頭のマイクロRNAだ。
「まさにバイオマーカーの宝庫」 マイクロRNAは生体高分子であるリボ核酸(RNA)の一種。生物によって異なり、人間ではこれまでに2655種類が見つかっている。分子のサイズを表す塩基数は18から25で、人間の遺伝子の平均サイズである約2万7000などと比べ、極めて小さい。しかし、この小さなマイクロRNAが、人間の遺伝子の少なくとも1/3の調整に関わっていることが明らかになってきた。 マイクロRNAは、エクソソームと呼ばれる粒子に入って血液中に放出される。その数は1mLあたり約5000億個とされ、血液だけでなく、尿や腹水、涙などあらゆる体液中に存在する。 エクソソームにはマイクロRNAのほか、DNAや膜タンパク質などが含まれる。東京医科大学医学総合研究所教授でマイクロRNA測定技術開発プロジェクトのリーダーを務めた落谷孝広氏は、「(エクソソームは)まさにバイオマーカーの宝庫」だという。製薬会社もマイクロRNAやエクソソームに注目しており、今後、創薬の中心的なターゲットの1つになっていくと期待されている。
前述のマイクロRNAプロジェクトでは13種類のがんを探索した。胃がん、食道がん、肺がん、肝臓がん、胆道がん、膵臓がん、大腸がん、卵巣がん、前立腺がん、膀胱がん、乳がん、肉腫、神経膠腫がその対象。国立がん研究センターに集積され、バイオバンクに登録された血液検体から、乳がん2400例、大腸がん3300例、胃がん3200例、肺がん2700例など、がん患者の検体を登録した。研究に不可欠な対照群については、国立長寿医療研究センターのバイオバンクに登録されている認知症などだががんではない7000以上の検体を登録、2019年2月までに5万3000検体を解析した。その結果、女性の乳がんでは、5つのマイクロRNAの組み合わせで、感度97%、特異度92%で識別できた。「感度」とは、病気の人を正しく病気だと識別できる割合、「特異度」とは病気でない人を正しく病気でないと識別できる割合を意味する。
この他、卵巣がんでは感度99%、特異度100%、膵臓がんでは感度98%、特異度94%、大腸がんでは感度99%、特異度89%など、高い精度でがん患者と健常者を識別でき、1次スクリーニングの検査方法として有用であることが示された。また、1次スクリーニングだけでなく、前立腺がんや乳がんなどで、他の標準的な検査によってがんの疑いが強まった患者に対し、マイクロRNA検査を行うことで、苦痛が大きい検査を受ける頻度を下げることができるといった成果も示されている。
マイクロRNA検査の課題は… マイクロRNA検査には課題もある。これまでの検討から、健常とがん発症の判定は、数種類のマイクロRNAを用いることで高精度に判別できることが示された。しかし卵巣がんなど、がんの種類によっては、良性疾患をがんと判定してしまう場合があるという。これについても「あなたの卵巣に何か重大なことが起きている可能性は高いと患者に伝え、検査を勧めることができるので価値はある」(落谷氏)。13種類のがんを一気に判別する手法も検討されている。これまでに集積した患者のマイクロRNAプロファイルを機械学習(ディープラーニング)に投入したところ、13種類のがんと健常(非がん罹患)の計14グループを高い精度で識別することができた。機械学習の挙動を解析すると、2655種類のマイクロRNAのうち、約200種類の貢献度が高く、さらに300種類を加えた500種類が識別に使われている。
長期の追跡調査でがん死の減少を証明したい 今後、マイクロRNA検査が人間ドックや定期健診で用いられるようになれば、早期がんの状態で発見し、より心身の負担が少ない治療で健康を取り戻せるようになると期待される。(抜粋)データを蓄積することで、科学的な根拠に基づく健康法を確立できる。マイクロRNA検査が新たなヘルスサイエンスを構築する役割を担うかもしれない。・・・
福岡メディカルクリニックでは、広島大学で研究開発されたミルテル社この検査を受けることができます。がんが気になっている方、がんに早期に対応したい方から、国内、海外より依頼を受けています。早期に身体の異常を検知し、健康管理を的確に行っていくには、良い検査であると思います。先制医療、予防医療のツールとして、是非お問い合わせください。
福岡メディカルクリニック 院長 内藤恵子