がんの予防方法には3段階あるといわれています。
- (1)1次予防(体の中の微量な異常を早期チェック、ライフスタイルチェック)
- (2)2次予防(がん早期発見、臓器特化型超音波診断検診+腫瘍マーカー検査)
- (3)3次がん予防(再発予防、がん細胞早期検出検査)
CANCER PREVENTIVE MEDICINE
がんの予防方法には3段階あるといわれています。
がんのリスクを高める要因は少しずつ明らかになりつつあり、その要因をできるだけ排除することで「がんになりにくい体」に近づくことができます。たとえば、禁煙をしたり、バランス良く食事をしたり、適度な運動をすることです。普段の生活の中で生活習慣を改善する予防が、一次予防になります。
1990年にアメリカの国立癌研究所(NCI)がデザイナーフーズ・ピラミッドというプロジェクトを打ち出しました。このプロジェクトはがんになる要因の多くに食生活が関係しているということから、どのような食料・植物性食品の成分が、がんの発生を未然に防ぐことが出来るのかを調べたものです。
表にはがん予防効果の高い食品40種類を、効果の高い順にピラミッドに表に示してあります。免疫力を高める食品でもありますから、少量でも、毎日摂ることが重要になると思います(過剰摂取は逆に体調・健康に影響が出る場合があります)。また、できる限り新鮮な食材をバランス良く摂取することが奨められています。
がん発症の65%は「生活習慣」が原因といわれています。普段から日々の食事を意識し、過剰なストレスを遠ざけることが大切です。
国立がん研究センターがん予防・検診研究センターがまとめた「がんを防ぐための新12か条」が、がん研究振興財団から2011年に公開されました。
この新12か条は日本人を対象とした疫学調査や、現時点で妥当な研究方法で明らかとされている証拠を元にまとめられたものです。
詳しい説明はがん研究振興財団のホームページを参照。
http://www.fpcr.or.jp/pamphlet.html
次に、このように自身でのがんの発症予防を行うと、同時に、医療機関などの検査などで(超)早期の身体の異常を見つけ、がん発症のリスクを知ることで定期的な検査などの計画を立てることができます。
一次予防で食事や運動・環境に気をつけた生活をしていても、発がんの原因がまだ全て解明されていないため、100%がん発症を予防することはできません。そこで、がんをできるだけ早く発見することが、二次予防になります。がん検診を定期的に受けて、早期の段階で見つけることで早い段階での治癒も可能となります。
超音波検査 | 腫瘍マーカー検査項目(参考) |
---|---|
膵臓 | CEA/CA19-9/Dupan-2/NCC-ST-439/Span-2/抗P53抗体/エラスターゼ/AMY/TPA/SLX |
肝臓・胆のう | AFP/PIVKA-Ⅱ/CEA/CA19-9/TPA/SLX |
腎臓・副腎 | BUN/Cr/TPA/SLX/IL-2R/1-CTP |
乳腺 | CA15-3/CA125/抗p53/CEA/CA19-9/TPA/SLX |
甲状腺 | TSH/T3/T4/FT3/FT4/CEA/CA19-9/TPA/SLX |
がんの予防として第三に「がんの転移、再発を防ぐ」という意味での予防です。
がんが命を脅かす最大の理由は「転移、再発するから治療が困難になる」という事です。転移や再発をしなければ、発見されたがんを取り除くだけで治療は終わり、生命や生活に関わることはありません。外科手術や放射線治療などの「がんを取り除く」治療については日々進歩し、検査技術・精度の向上や治療機器の新規開発により、治癒率も高くなっています。治療をしたのち、全員が転移、再発するわけではなく、再発予防を必ず必要というわけではありません。しかし、再発する確率はあらかじめ予測できるものではないと考えます。「転移を含む再発を防ぐ」三次予防について対策が必要です。まずは、再発を予測するための検査を行うことが一つの方法です。