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No.9 がんリスク検査(早期発見検査)って何? 

No.9 がんリスク検査(早期発見検査)って何?

「メディカルトピックスNo.8」でお話をしたがん遺伝子・ゲノム検査、がんリスク検査、がん遺伝子検査がどういうことか、どのような検査があり、どのように検査をするべきなのかについて、当院で可能な検査に限りますが、少しお話をしたいと思います。

まず、基礎知識として(メディカルトピックスNo.3参照)、人間の細胞が60兆個あり、その細胞の核にデオキシリボ核酸(DNA)として塩基30億個が折り畳まれて染色体という形になっています。遺伝子というのは躰の地図と言われ、DNAの一部1.9%を占め、リボヌクレオチド核酸(RNA)に変換され、最終的にはタンパク質合成していくものです。がんは遺伝子に異常が起こったときにがん細胞を構成するタンパク質が作られることになります。これらが代謝されていくときにメタボローム(代謝産物)やアミノ酸のバランス異常をきたすことになります。さらにDNAの遺伝子以外の残り98.1%の非遺伝子部はタンパク質を作らないマイクロRNAに転換され.ます。マイクロRNAは最近の知見で遺伝子からのタンパク合成などを制御しており、遺伝子の異常な動きが起こると特別なマイクロRNAが作られ、がん発症するときはがんの種類により異常なマイクロRNA群が認められることがわかっています。

また、遺伝子は人類では99%ほとんど共通構造をしています。1%程度の遺伝子が多型性SNPと言われ、いわゆる個性や多様性を示す部位となります。

( A )がんを予測する

1)サインポストがん遺伝子検査+生活習慣病遺伝子;血液検査、がん14種

遺伝子のSNP検査。家族性ではなく個人的な遺伝子パターンからにどのようながんになりやすいか、どのような生活習慣病などの疾患になりやすいかを示し、それらの進行・発症を阻止するための生活、食事、運動など推奨されます。SNPは一生涯変らず、1度でよい検査。自分を知り疾患予測・予防するのに有用です。基礎データは大阪大学より提供。

2)ABC検診;血液検査

胃がんを起こす原因としてピロリ菌感染と胃粘膜萎縮(慢性胃炎の結果)が挙げられており、ピロリ菌抗体と胃粘膜の萎縮を示すペプシノーゲンI/IIのバランスを総合的に判定し、胃がん発症の危険度を示します。

3)肝炎ウイルス検査;血液検査

ウイルス肝炎が慢性化した結果、肝硬変になると肝がんが高率に発症します。

4)遺伝子ストレステスト(テロメアGテール長);血液検査

細胞の遺伝子は末端にテロメアと呼ぶ部分があり、その長さは細胞分裂の都度、短くなっていきます。細胞の元気さを示し、細胞が健康であるかを検査します。広島大学発。

( B )がんリスクを調べる

正常な人でも何らかの原因による遺伝子変化の結果、1日に約5千個のがん細胞が作り出されているといわれます。健康でがんに対する免疫反応が機能するとがん細胞を排除しがん発症しないと考えられています。がんリスク検査ではがん発症しないがん細胞も含めて検査をします。リスク検査の結果は程度問題含め、他の検査結果合わせで総合的に判断して行く必要があります。

1)アミノインデックス;血液検査、がん8種

遺伝子異常の結果おこるがんによるアミノ酸バランスの変化により各種がんの早期発見やリスクを調べる検査。治療に経過による変化は認められない。味の素(株)発。

2)サリバチェッカー;唾液検査、口腔がんを含むがん5種

がんに由来するタンパク質代謝物質(メタボローム)の濃度を解析、がん罹患リスクを調べる検査。唾液を使った検査です。慶応大学発。

3)ミアテスト;血液検査、がん14種(男性)、15種(女性)

遺伝子異常と同時発生するがん特異的マイクロRNAを検出、(超)早期発見を行う検査。マイクロRNA変化は遺伝子異常とほぼ同時期に発生する為、早期発見が可能。治療により変動する。次世代シークエンサ―により精度が向上。広島大学発。現在、国立がんセンター研究所においても同様の研究が進められている。

4)マイクロアレイ;血液検査、がん4種

遺伝子異常から起こるRNA異常を検知する。比較的早くから検査として利用されている。

5)循環がん細胞検査・Cantectがんリスク検査;血液検査

血液中を循環する上皮性細胞(=がん細胞)を其々の方法で捕捉しカウントする。前者は米国FDAで認可されている。捕捉したがん細胞の遺伝子変異検査も条件により可能。後者は捕捉したがん細胞の遺伝子変異、遺伝子メチル化、抗がん剤感受性などを検討可能。

リスク検査は、検査時点でがんを発症していない前提で検査をしますが、がん発症しても無症状である場合、画像検査が行われていないケースが考えられます。福岡メディカルクリニックでは、これらの検査で異常が出た場合、当院においても腫瘍マーカー、生化学検査、甲状腺、乳腺、胆肝膵エコーなどの精度の高い超音波機器による検査を行い、総合的に判定いたします。また、がんの治療を終了している方の経過観察も可能です。早期発見検査では画像診断できないレベルのがんをも含んで陽性に出ます。つまり、PET-CTなどで異常が出ない状態でも陽性に出ます。医師の十分な説明と経過観察を必要とします。

検査の方法やより詳しい内容については是非お問い合わせください。

福岡メディカルクリニック 内藤恵子

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