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No.14 ヒトiPS細胞から再生したキラーT細胞、固形がんモデルで治療効果を確認

NewNo.14  ヒトiPS細胞から再生したキラーT細胞、固形がんモデルで治療効果を確認

 (Oncology Tribune 2020年4月15日 ニュースより抜粋)

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   京都大学ウイルス・再生医科学研究所の河本宏教授らのグループは、iPS細胞技術を用いてT細胞を量産することにより、上記の問題の解決に取り組んできました。今回は、京都大学医学部附属病院泌尿器科の嘉島相輝助教(研究当時、現・秋田大学医学部附属病院腎泌尿器科助教)らとの共同研究で、2つの新しいことに取り組みました。1つは、iPS細胞にT細胞レセプター遺伝子を導入するという方法の採用で、もう1つは固形がんを対象とすることです。この方法を用いて再生したキラーT 細胞は、患者由来腎細胞がん組織を移植して作製したモデルで、治療効果を発揮しました。今回の成果は、他家移植用の再生キラーT細胞を用いたがん治療戦略を、固形がんを対象にした臨床応用に向けて、大きく前進させるものと考えられます。

本研究成果は、2020年4月7日に米国の科学雑誌「iScience」のオンライン版に掲載されました。

関連記事:「iPS細胞技術を用いたCTLの量産~養子免疫療法の課題解決への貢献に期待~」

がん免疫療法はこの10年で大きく進展した。免疫チェックポイント阻害薬(ICI)はさまざまながん腫で一定の効果を示し、養子免疫療法であるキメラ抗原受容体発現T細胞(CAR-T)療法やT細胞受容体発現T細胞(TCR-T)療法などの有効性も示されている。京都大学ウイルス・再生医科学研究所再生免疫学分野教授の河本宏氏は、自家移植の養子免疫療法における課題解決への貢献が期待される、人工多能性幹(iPS)細胞を用いたがん抗原特異的細胞傷害性T細胞(CTL)の量産に向けた取り組みについて、第17回日本免疫治療学会(2月22日)で解説した。

他家移植の系を用いた再生医療によりCTLを作製

がん免疫療法には、ICIをはじめ幾つかの種類がある。そのうち自家移植の腫瘍浸潤T細胞(TIL)投与法やCAR-T療法、TCR-T療法などの養子免疫療法は、コストも時間もかかる。また、患者のT細胞の質に依存するため効果が安定しないことに加え、がん抗原特異的なCTLの培養・増殖が困難で、さらに増殖できても疲弊化するという課題がある。(略)これらのハードルを乗り越えるため、河本氏はiPS細胞技術を用いて作製したT細胞製剤を他家移植の系で用いる戦略を進めている。(中略)

具体的には、MART-1抗原特異的CTLからiPS細胞を作製し(MART1-T-iPS細胞)、その後T細胞を分化誘導する。この時点でCD4CD8共陽性細胞(double positive:DP細胞)が生成された培地に抗CD3抗体を添加してTCRを刺激することで、CD8陽性T細胞を作製できた。この再生T細胞は、大半ががん抗原を認識できたという。(中略)この方法を用いて白血病などに高頻度に発現するがん抗原WT1について、健常人由来のWT1特異的キラーT細胞からWT-1抗原特異的CTLを再生し、免疫不全マウスの白血病モデルで検証したところ、生存期間の延長が確認された。理論上は、10の10乗個のCTLが得られることから、同氏は「iPS細胞技術を用いたがん抗原特異的CTLの量産については、応用に向けた基本的な問題点はクリアしている」と述べた。(以下略)

いつも以上に理解しにくい内容かもしれませんが、要は私共が行っている、がん患者さんから血液をいただいてリンパ球を分離し、患者さん一人ひとりのがん特異的養子免疫リンパ球細胞製剤を作成しているのを、iPS細胞という人工多能幹細胞を使って大量に、ストックを利用して、短時間に、がん特異的Tリンパ球に近い細胞を作る事が可能になりそうだということです。

このような細胞治療が、副作用なく、いつでも、何処でも、受けれるようになることは、がん患者の皆さんにとって、大きな恩恵となると思います。重要な問題の一つとしてがんの目印を同定することがあり、現時点では全くのオリジナルな目印として遺伝子変異から探すネオアンチゲンが良い抗原となると考えます。

時間はかかるとは思いますが、とても期待したい話だと思います。

2020年4月19日  福岡メディカルクリニック 内藤 恵子