メディカルトピックス
MEDICAL TOPICS
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No.18 転移性大腸がん患者のファーストライン化学免疫療法における免疫学的状態の変化 (ANTICANCER RESEARCH 2020)
山田哲平1,2、吉田陽一郎1,長谷川傑1、内藤恵子4、後藤重則5,6、 その他
1消化器外科、2再生・移植医学、福岡大学医学部、
4福岡メディカルクリニック、5瀬田クリニックグループ、東京
6 次世代細胞および免疫療法学科順天堂大学大学院医学研究科、東京
概要
背景/目的:化学免疫療法はさまざまな悪性疾患の有望な治療である。この研究では、転移性大腸がん(mCRC)においてファーストライン(第一次)化学療法とリンパ球養子免疫細胞療法併用による化学免疫療法について行われた。
患者及び方法:対象は福岡大学病院消化器外科の転移性大腸がん患者で標準的ファーストライン化学療法及びベバシズマブと養子αβT細胞療法の併用の患者である。治療効果と安全性評価、抗がん剤治療による免疫学的評価を行った。
結果:効果(完全治癒CR及び部分治癒PR)および疾病制御率(CR~不変SDの割合)は68.8%および87.5%でした。無進行および全体の中央値生存期間は14.2ヶ月と35.3ヶ月でした。免疫治療による毒性は最小限でした。化学免疫治療前後での免疫細胞機能評価において、完全治癒群では有意に単球数の減少(P=0.006)とリンパ球(%)・単球(%)比の増加(P=0.039)を確認できた。
結論:養子αβT細胞療法を伴う化学免疫療法は転移性大腸がん(mCRC)に有用であった。
転移性大腸がん患者のファーストライン化学免疫療法における免疫学的状態の変化2020 20200819
今回は福岡大學消化器外科と福岡メディカルクリニックが協力をさせていただいて研究、治療を行っている成績を山田先生、吉田先生によりご発表頂きました。このデータがどれ位、良いデータであるかは言うに及びません。まだ課題はございますが、この治療について興味があられる方は
ANTICANCER RESEARCH 40 4763-4771, 2020
をご覧いただくか、福岡メディカルクリニックへご相談ください。
2020年8月17日 福岡メディカルクリニック 内藤恵子