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No.21 アンジェス、新型コロナウイルスDNAワクチンの臨床試験へ

No.21  アンジェス、関東・関西8施設で「500人規模」DNAワクチンの臨床試験へ

https://www.businessinsider.jp/post-224540  Nov. 20, 2020, NEWS

11月20日、アンジェスから臨床試験に関するリリースが発表された。https://www.anges.co.jp/pdf_news/public/hYbPKBHSdQMD9pG3d0LJCmgd1U0OAXPD.pdf

新型コロナウイルスのDNAワクチンを開発する大阪大学発のバイオベンチャー・アンジェスは11月20日、開発中のワクチンに関する「第2/3相臨床試験」を実施する方針を発表した。

今後、臨床試験を行う施設での審議・承認が下り次第、2020年11月から2022年3月までを目処に、関東・関西にある合計8医療施設において、500人を目標とした臨床試験が行われることになる。

無作為、二重盲検、プラセボでの臨床試験

アンジェスは6月と9月、大阪市立大学医学部付属病院と大阪大学医学部付属病院で、それぞれ開発中のDNAワクチンに関する第1/2相臨床試験を実施していた。2つの臨床試験では、健康な人に対してワクチンを接種することで安全性を確かめるとともに、実際に免疫がどの程度つくのか評価することを目的としていた。(中略)今回の臨床試験は「二重盲検」と呼ばれる形式。投与したのがワクチンなのか偽薬なのか、患者側と医療従事者側といずれにも分からない形で行われる。(中略)

過去の治験結果の詳細が未公開の理由

アンジェス、創業者の森下竜一大阪大学教授。アンジェスは2020年3月5日、国内ではいち早くワクチン開発に挑戦することを発表した。

ここ最近、ファイザーやモデルナなど海外でワクチン開発を行っている企業から、ワクチンの高い有効性に関する明るい見通しが発表される事例が続いている。今回のアンジェスの発表も、臨床試験を次のステップに進めたこと自体は明るい材料だと言えるだろう。一方、アンジェスの開発しているDNAワクチンは、これまで安全性や有効性に関する詳細なデータがほとんど開示されていないなど、不安な面も多い。(中略)*(補足)ファイザー、モデルナが作成しているのはmRNAワクチン

新型コロナウイルスに対するワクチンは、今年、来年という短期間だけ必要とされるものではない。先々のことを考えると、急場は海外の大企業が開発したワクチンでしのぎ、後々開発が追いついてきた国産のワクチンをしっかり確保しておくことは非常に重要といえる。

(以下省略)

さて、新型コロナウイルス感染症の第3波が問題となっています。この第3波、第4波は今までにも想定されてきた感染症拡大パターンで想定通りと考えます。「日本人は抗体を持っている?」「日本で流行しているコロナウイルスの株型タイプが重症化しにくい?」と言われていますが、油断はできません。

ウイルスは増殖(複製)速度が速く、変異もするので、短期、一回だけのワクチンでは終わらないと考えます。ウイルスは遺伝子DNAからmRNAを作り、そこからウイルス本体のタンパク質を作ります。このDNA、RNA、タンパク質はいずれも単体で体内に投与しても、分解され、免疫反応を起こしません。これらを免疫反応が起こる状態に加工してワクチンとして使用するわけです。その刺激材料と加工方法がワクチンの有効性と副作用を左右します。自然に近い加工投与方法として樹状細胞にこれらの材料を取り込ませる方法があります。メディネット社ががんに対する樹状細胞ワクチンで培った技術を用い、新型コロナウイルスに対する樹状細胞ワクチン作成を現在研究しています。タンパク質等の大量生産はできますが、細胞治療となると複雑な過程が必要になります。細胞医薬の難しいところです。しかし抗体を作る液性免疫とウイルスを攻撃するキラーTリンパ球を増やす事ができます。(参照:メディカルトピックスNo.17)

感染症と人類は長く付き合わなくてはいけません。人間の体にはこれらと闘い、また共存したりするシステムが備わっています。人類の知恵と科学の進歩に期待したいと思います。

2020年11月22日  福岡メディカルクリニック 内藤恵子

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