福岡メディカルクリニック

MENU
資料請求・問い合わせ
New お知らせ
New 説明会
New メディカルトピックス

メディカルトピックス

MEDICAL TOPICS

No.47 老化細胞と細胞障害性CD8陽性Tリンパ球、がん免疫治療薬で抗老化?

老化細胞と細胞障害性CD8陽性Tリンパ球、がん免疫治療薬で抗老化?

老化細胞の蓄積機構の一端を解明、抗老化治療に新戦略=東大など

MIT Technology Review 2022年11月12日 (土)配信

東京大学と金沢大学などの共同研究チームは、老化や加齢性疾病発症・病態進展に伴い老化細胞が生体内の様々な臓器や組織に蓄積するメカニズムの一端を明らかにし、「抗PD-1抗体」による老化細胞の除去が新たな抗老化治療の有望な戦略になりうることを見い出した。

研究チームは細胞レベルでの老化細胞を解析し、老化細胞が、T(リンパ)細胞機能を抑制するタンパク質(免疫チェックポイントタンパク質)である「PD-L1」を不均一に発現していることを発見。PD-L1陽性老化細胞が生体内で加齢とともに蓄積することや、過剰なタンパク質凝集体の形成や強い炎症機能を有していることを明らかにした。

さらに、PD-L1陽性細胞が、体内の免疫応答を担う(CD8陽性)T細胞による免疫監視に抵抗性を示すことも発見。T細胞の活性化を維持する「免疫チェックポイント阻害剤」の一つである抗PD-1抗体(オプジーボ)を老化マウスや正常脂肪肝炎マウスに投与することで、活性化CD8陽性T細胞の働きによって体内に蓄積した老化細胞の数が大きく減少し、老化に関連する様々な表現型が改善されることを示した。

老化細胞の蓄積は、加齢に伴う炎症の主な原因であり、様々な加齢性疾患の素因となると考えられている。今回得られた知見により、不明な点が多かった老化細胞の蓄積機構の基礎的な理解が進むことに加え、現在、がん治療でも使用されている免疫チェックポイント阻害剤の老化病態治療への応用といった新たな展開がもたらされることが期待される。研究論文は、(Nature 611, 358–364 (2022))誌に2022年11月2日付けでオンライン掲載された。

参考;MIT Tech Review: 老化細胞の蓄積機構の一端を解明、抗老化治療に新戦略=東大など (technologyreview.jp)

以上。

がん細胞はリンパ球を中心とした免疫細胞の老化により排除できない為に残り、増殖し、発症に至ると考えられていました。今回の発表ではがん細胞と同じく、癌ではない老化細胞もがん細胞と同じくPD-L1という分子を発現し、それによりCD8陽性Tリンパ球(細胞障害性キラーT細胞)が反応出来ず、排除機構から逃れているということです。また、すでに、がん治療薬として使われている免疫治療薬を抗老化治療に利用できるのでは?ということです。さらに、CD8陽性Tリンパ球を活性化させるにはがん治療で使用されている投与量の10分の1程度の量で十分であると発表もあっています。当院のαβT細胞療法=CD8陽性キラーTリンパ球治療を受けている方々の中で老化の改善?と思われる変化を経験することはしばしばあります。抗えない自然現象であると考えていた老化が疾患として、がん同様の治療対象になる可能性が示された研究と考えます。当然、活性化できるリンパ球が必要十分に体内にあることが前提となります。

2022年11月17日    福岡メディカルクリニック 内藤恵子

最近の投稿