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No.41 「進化する企業アクションとコロナで減る“がん患者”」

「進化する企業アクションとコロナで減る“がん患者”」

https://project.nikkeibp.co.jp/behealth/atcl/feature/00004/040400354/

NEWS Beyond  Healthレポート 伊藤 瑳恵=ライター 2022.4.6より要約

「コロナ禍でがん患者が減っている」──。東京大学大学院医学系研究科 総合放射線腫瘍学講座 特任教授 兼 がん対策推進企業アクション アドバイザリーボード議長の中川恵一氏は、2022年3月4日に開催された「令和3年度 がん対策推進企業表彰式」の講演でこう切り出した。

同氏によると、新規のがん患者の数は、データによって異なるが新型コロナウイルス感染症流行前と比べて、5~10%減少しているという。国立がん研究センターによると、今後15~20年でがん患者は増加すると予想されているが、新型コロナウイルスによってとりわけがん検診の受診率が減り、見かけ上がん患者が減る状況が進んでいるというわけだ。「大変恐ろしい状況」と同氏は懸念する。

国立がん研究センターの2018年の発表によると、日本人の場合、男性では65.0%、女性では50.2%が生涯に何らかのがんに罹患するとされる。職場では会社員の死因の約半数ががんであり、病死に限ると、在職中に社員が亡くなる原因の9割ががんだという。つまり「働く人にとってはがんが大きな壁になり、がん対策は経営課題だ」(同氏)。

現在、日本のがんの死亡率は米国の2倍である。先進国の中では、がんの死亡数が増え続けているのは「日本くらい」だと同氏は話す。そして、日本ではがんの欧米化が進んでいるという。これまでは日本人が最も罹患するがんは胃がんだったが、ピロリ菌の感染率が減少したことなどが原因で胃がんにかかる人が大きく減り、欧米で罹患する人が多い大腸がんが増えている。

肥満や運動不足など原因とみられ、今や大腸がんは国内で最も罹患する人が多いがんになった。大腸がんによる年間の死亡者は、日本が米国を上回るほどだという。その原因の一つが、米国の半分程度しかない、がん検診受診率の低さだ。

がんが診断可能な1cmの大きさになるには、20年かかるとされている。早期がんとは、1~2cmの間に見つかったがんのことで、この大きさでは症状が出ることはまずない。1cmのがんは、わずか1~2年の間に2cmになるとされる。つまり、早期がんを発見するには、例え体調が万全であっても定期的に検査する必要があるというわけだ。

 

定年延長・女性の社会進出で、働く世代のがん増加

がんは、細胞の老化といえる病気なので、年代別の患者数を見てみると、年代が上がるごとに患者数が増える傾向が見られる。(中略)

これまで、定年を55歳で迎え、働く女性が少なかった時代は、「極論、“会社にがん患者がほとんどいなかった”と言えるだろう」と中川氏は話す。しかし、定年が延長されて、女性の社会進出が進んだことで、企業におけるがん対策が非常に重要になってきた。定年が75歳まで延長された場合、男性は3人に1人、女性は4人に1人ががんに罹患する計算になるという 働く世代にがんが増える、「がん社会」(中川氏)の到来といえる。こうした背景で、国としても職域でのがん対策を熱心に取り組んでいる。その最たる取り組みが、がん対策推進企業アクションである。現在、推進パートナー企業・団体は、3500社、総従業員数は790万人になった。同氏は、がん対策推進企業アクションでの活動を充実させ、がん検診受診率の向上を図りたいとしている・

職域でのがん検診、費用対効果は?

中川氏は富士通健康保険組合と共同で、職域のがん検診の費用対効果について調査を行った。具体的には、2014年に新規で大腸がんと診断された患者の4年間の1人当たりの総コストを調べ、大腸がん検診を受診していた群と未受診群とでコストを比較した。

受診群では、便潜血検査と偽陽性による大腸カメラの費用がコストとしてかかる。こうしたコストと、4年間の医療費を合わせた総医療費を比べると、受診群よりも未受診群のほうが高いということが分かった。(中略)

つまり、大腸がん検診をきちんと行うことで、健康保険組合の財政にも直接的に資することができるというわけだ。同氏は、「大腸がん検診は職域検診の中で初めての法定化を行うべきだと思っている。少なくとも、その議論を始めるときにきたのではないか」と大腸がん検診の重要性を改めて訴えた。

(以上)

この記事の元タイトルは「がん対策は経営課題」企業ができることは何か?です。企業にとって人財である従業員の健康は重要な要素であり、経営的にも重要であると提唱されています。この数年、コロナウイルス感染症対策による移動制限により、検診や治療が必要となる医療機関受診機会もかなり減少いたしました。当院への相談でも早く受診したいが、どうしたら良いのか?という問い合わせが多い状況です。がん治療は早い段階での対応が重要です。診断、治療が決まった段階から、まずご相談頂きたいと思います。

2022年5月5日      福岡メディカルクリニック  内藤恵子

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