メディカルトピックス
MEDICAL TOPICS
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No.90 ネオアンチゲン、mRNAがんワクチン、免疫強化し効果確認
日本経済新聞 薬品・医療介護 2026年8月20日
モデルナと米メルクは19日、メッセンジャーRNA(mRNA)技術を使った「がんワクチン」について、皮膚がんの一種を対象とした第3相臨床試験(治験)で有効性を示したと発表した。
患者の免疫力を高めるワクチンの仕組みを使った新しい治療法で、がん治療の新たな選択肢となり得る。
皮膚がんの悪性黒色腫(メラノーマ)の患者を対象に治験を実施した。2社によるとメルクのがん免疫薬「キイトルーダ」とmRNAワクチンを併用したところ、キイトルーダを単独で投与する場合と比べて、がんが再発せず生存する期間が伸びた。
モデルナのステファン・バンセル最高経営責任者(CEO)は「今回の結果はがん研究分野における極めて重要な転換点だ」と強調する。
モデルナのがんワクチンは免疫の働きを使う。がん患者が持つがん細胞の遺伝子変異によって、特殊なたんぱく質「ネオアンチゲン(新生抗原)」が作られる。患者によって異なる遺伝子変異を調べ、ネオアンチゲンの種類を特定する。特定したネオアンチゲンを作り出すmRNAをワクチンとして投与し、免疫の働きを高める。(中略)
mRNA技術は新型コロナウイルス感染症のワクチンに活用された。世界的な流行で、モデルナは急速に成長した。(中略)国内ではMeiji Seikaファルマは医薬品受託製造のARCALIS(アルカリス、福島県南相馬市)と共同でmRNAがんワクチンの開発に取り組んでいる。(省略)
米モデルナのがんワクチン、治験で皮膚がんに効果
2026年8月20日 日経新聞
【ヒューストン=赤木俊介】米バイオ企業のモデルナと米製薬大手メルクは19日、皮膚がんの一種である悪性黒色腫(メラノーマ)の患者を対象とした第3相臨床試験(治験)でメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンが有効性を示したと発表した。(中略)
全身療法を受けておらず、がんを完全切除したステージ2〜4の罹患(りかん)者を対象に術後補助療法としてワクチンとがん免疫薬「キイトルーダ」を投与した。
治験ではがんが再発せず生存する期間である無再発生存期間(RFS)など主要な評価項目と副次的な評価項目を達成した。キイトルーダの単独療法と比べ臨床的に有意な改善を示したという。
モデルナとメルクが開発するmRNAワクチンはがん細胞にのみ存在し、遺伝子変異によって作られる異常なたんぱく質「ネオアンチゲン(新生抗原)」を体内で増やし、免疫細胞によるがん細胞への攻撃を促す。個別の患者に合わせた治療法だ。
mRNA技術は新型コロナウイルスのワクチンにも活用された。モデルナはmRNAのインフルエンザワクチンも開発し、米食品医薬品局(FDA)が5日に承認した。
以上、同日のニュース2題を一部改変し掲載させていただきました。がんワクチンには大きく2種類あり、一つはこのmRNAワクチンも含めてがん攻撃の目印となるたんぱく質(ここではネオアンチゲン)を材料として接種するものと、当瀬田クリニッククループが行っているたんぱく質(ネオアンチゲン)で刺激した樹状細胞をワクチンとして投与し、キラーTリンパ球を刺激強化するがあります。前者の方法ではキラーT細胞の活性化が弱いことが指摘されていましたが、今回免疫チェックポイント阻害剤という免疫刺激剤を併用することで有効性を示したと考えられます。今後の展開に期待したいと思います。
2026年9月6日 福岡メディカルクリニック 内藤 恵子